【AI: ソムニウム ファイル ニルヴァーナ イニシアチブ】可解な連続殺人事件の真相と、胸を打つ人間ドラマに迫る【途中からネタバレ有】
今回は、『AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』をクリアしたので、その魅力や感想を記事にまとめていきたいと思います!
本作は『AI:ソムニウムファイル』の続編にあたるタイトルです。前作から直接ストーリーが続いているわけではないため、本作から遊び始めても問題なく楽しめる独立した物語になっています。ただ、キャラクター同士の深い関係性や背景を知っていると面白さが段違いに跳ね上がるため、個人的にはぜひ前作からプレイしていただきたい作品です。
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『AI: ソムニウム ファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』の基本情報
ジャンル:SF・アドベンチャー
対応プラットフォーム:Nintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One、PC(Steam)
Steam価格: ¥2,200(税込) セール時 ¥550(税込)等
プレイ時間:(初回クリア想定)約25時間〜30時間程度
難易度:中~高 わかりづらい謎解きも多く、ソムニウムは時間制限もあるため難しめ。
『AI: ソムニウム ファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』の特徴、魅力
圧巻のシナリオと進化した「フローチャート」
前作に引き続き、本作でも物語が複数ルートに分岐する「フローチャート」システムは健在です。 今作の大きな特徴として、ストーリーを進めた先で得た「キーワード」を入力することで、新たなルートへの分岐(ロック解除)が進むというシステムになりました。前作のロック解除よりも、「どういう条件を満たせば別のルートに進めるのか」が直感的にわかりやすくなっており、遊びやすさが向上していてとても良かったと思います。
2つのパートが織りなす独創的なゲーム性とアクション要素
ゲーム進行の軸となる「捜査パート」と、対象者の脳内に潜り込む「ソムニウムパート(潜入)」のサイクルは今作も同じです。 ただ、本作ではパートの合間にQTE(クイックタイムイベント)を含む戦闘アクションが発生することが多くなりました。個人的にはQTEはあまり得意ではないので少し辛く感じる部分もありましたが、戦闘シーン自体はキャラクターが非常によく動いており、作り込みはかなりしっかりしている印象を受けました。


パワーアップした「ソムニウムパート」
夢の世界のパズルを解くソムニウムパートは、前作から大きく面白さがパワーアップしています! 若干ホラーテイストな回や、脱出ゲームのような回、証拠を集めて正しいものを選ぶ回など、バリエーションが非常に豊かになりました。前作では少し運任せになってしまう部分もありましたが、今作は「しっかり考えれば選ぶ先(正解)がわかる」ようになっており、純粋な謎解きゲームとしてのクオリティが上がっています。


シリアスとギャグの絶妙なバランス
猟奇殺人というシリアスなテーマにギャグを挟んでくる独特のテンションは今作も健在です。 ただし、前作の主人公であった「変態エロ本収集家」こと伊達から主人公が代わったことで、ギャグの方向性はだいぶマイルドに落ち着きました。面白さやテンポの良さはしっかり残しつつも、前作のような強烈な下ネタ・ギャグ要素が少し苦手だったという方でも、かなりプレイしやすくなっていると思います。


※注意点 このゲームに合う人、合わない人
今作のグロテスク要素については、被害者の目が取られているといった直接的な描写が多かった前作と比べると、かなりマシになった印象です。 しかし、事件の根幹が「ハーフボディ(HB)連続殺人事件」であり、遺体が縦半分に切断された状態で発見されるというショッキングなものです。内臓などの生々しい描写こそありませんが、そういった猟奇的なテーマ自体に抵抗がある方は注意が必要です。
⚠️ここから先は『AI: ソムニウム ファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』のエンディング・真相に関する重大なネタバレが含まれます!未プレイの方は絶対にブラウザバックしてください!⚠️
【ネタバレ全開】過去と未来の交差 違和感の正体
龍木編の圧倒的な「わけのわからなさ」と困惑
今作は、まず龍木(りゅうき)とAIのタマを相棒にして「HB事件」を追うところからスタートします。 プレイしていてとにかく印象的だったのは、龍木編の「わけのわからなさ」です。龍木がたびたびおかしな言動をしたり、勝手に時間経過が飛んだりと、プレイヤーとしても「何が起きているんだ?」と困惑しっぱなしでした。前作の経験から「この謎だらけの状態が正解なんだろう」と思いつつ進めたものの、謎が増えるばかりでかなり頭を抱えました。 その後、「ダリア」「ボート」というキーワードを得て、冒頭のソムニウムに入力することで、ようやくみずき編へとルートが開ける流れは、システムと物語がリンクしていて面白かったです。


プレイヤーの認識を逆手に取った「時系列トリック」と2人のみずき
みずき編に突入すれば謎が解けていく…と思いきや、進めれば進めるほど、龍木が持っている情報と噛み合わない事実や、謎の女性の存在など、さらに謎が深まっていきました。
しかし、物語の終盤で明かされる「謎の少女の正体は、みずきと同じ顔・DNAを持つ姉だった」という事実、そして「過去(龍木編)にいた成長した姿のみずきは、実は姉のほうだった」というミスリードには、完全に騙されました。 この叙述トリックによって、過去と現在のストーリーチャートが意図的に混ぜられ、「成長したみずきの姿が出ているから、これは現在の話だ」とプレイヤーに錯覚させていたのです。この謎が解けた瞬間の「やられた!」という納得感とアハ体験は、本作最大のハイライトでした。


ほろ苦くも美しい、キャラクターたちの結末
最終的にテアラァの「ニルヴァーナ構想」を登場人物全員の協力で阻止する熱い展開は、ストーリーの締めくくりとして非常に良かったです。 個人的に好きだったキャラクターの亜麻芽(あまめ)が罪を犯していたのは少しショックでしたが、父親(米治)を殺された復讐や、脅迫されていたという背景を考えると、仕方ない部分もあるなと胸が痛くなりました。
そして何より印象的だったのが、絆とライアンの関係性です。 事件を通して足が動かなくなってしまった絆と、それを側で支え続けるライアン。最初はライアンに対して「なんだこいつ」という印象を抱いていたのですが、不器用ながらも絆を想う彼の姿に、終わる頃にはすっかり大好きなキャラクターになっていました。


隠しルート(龍木編異章)と「真実」の捉え方
クリア後に解放される「龍木編 異章」では、メタ要素に踏み込み、すべての情報を得た状態の龍木が事件を未然に防ぐIFストーリーが描かれます。 テアラァは早期逮捕され、地下の崩落もなく、米治も生きていて亜麻芽も罪を犯さず自由に生きているという、まさに「誰も傷つかない完全なハッピーエンド」です。
私自身、根っからのハピエン好き(ハピエン厨)ではありますが、今回の物語に関しては、少し複雑な思いを抱きました。 もちろん全員が幸せなのは嬉しいのですが、本編で描かれた「尊い犠牲を払いながらも、それを乗り越えて進んでいく結末」や、「足が動かなくなった絆と、彼女を支えるライアンの尊い関係性」を見た後だと、傷跡の残る最初のエンディングこそが、本作における”本当の真実”なのかなと感じています。


前作感じた少し残念だと思った点も改善
前作のシンクパートでは、後半になるにつれて選択肢の正解が予想しづらく運ゲーのように感じてしまったり、時間制限が厳しくて「面白そうな選択肢」を試す余裕がないといった不満がありました。(特に暗くて見づらいステージでは、楽しさよりもストレスを感じてしまうこともありました)
しかし、今作からは新たに「ストーリーモード」という難易度が追加されています! このモードでは、QTEの入力条件が緩和され、シンクパートの制限時間にもかなり余裕が持てるようになっています。このおかげで、前作では時間切れを恐れて諦めていた「わざと面白そうな選択肢やボケを選んでみる」という遊び方がしやすくなり、自分のペースでゆっくり楽しんでプレイできました。
もちろん、「時間制限に追われるハラハラ感を楽しみたい!」という方は、従来の難易度でプレイするのがおすすめです。プレイヤーの好みに合わせて遊び方を選べるようになったのは、非常に嬉しい改善点でした。
個人的に好きだったキャラクター
「本作は魅力的なキャラクターが多数登場しますが、その中でも特に心に残った人物や関係性をピックアップして紹介します!」
伊達みずき
前作に引き続き個人的に一番好きなキャラ。前作で亡くなった沖浦夫妻が実の両親ではなかったことや、自身がゲノム編集された子供であることなど、あまりにも重い背景を抱えつつも、どこまでも前に突き進む主人公。
6年間行方不明になっていたこともあり伊達との絡みこそあまりなかったが、少ない口かずで信頼し合ってる様子も見れました。
アイボゥとの相性も抜群で、お互いがボケもツッコミもできるので面白い会話が多かったです!


アイボゥ
前作での伊達鍵とのタッグでは若干下ネタが多かったが、相棒がみずきになったことによってそこらへんがマイルドになった。
基本的にボケのほうが比率が多いが、みずきのボケにしっかり突っ込んでいたりとやりとりは和やかだった。
普段はおふざけ役に見えますが、謎の少女(みずきの姉)とのシンクの場面では熱い一面も見せます。彼女なら身を挺して彼女を守ると信じ、痛みを感じながらも素手でドリルを止めるシーンは胸が熱くなり、前作以上に好きになりました。


亜麻芽&厳
前作でも少し登場していたメイドカフェ“サンフィッシュポケット”でバイトをしている女子高生。前作で見た目かわいい子だなと気になっていたが、まさか復讐のためにテラファを殺した犯人だとは最後まで思いませんでした。
厳もゲノム編集された人間で、見た目にコンプレックスをもっていたが亜麻芽によって救われていて、この二人の関係性がとてもいいなと感じました。
ただ亜麻芽&厳ルートで言っていた通り亜麻芽は厳に恋心は抱いてなさそうだよなとは思ってしまうので、復讐を一番いい選択と言い切った亜麻芽が刑期を全うして出所した後に、厳が彼女の心の支えになってくれたらいいなと願ってやみません。


絆&ライアン
稚枝(ちえだ)家の令嬢の絆と元鍵開け窃盗のライアン、最初は『なんだこいつは』と警戒してしまい、全然応援する気になれなかったのですが、ストーリー終盤ではかなり好きなカップルになっていました!
ソムニウム(シンクの世界)での描写を通して、お互いの気持ちが丁寧に描かれており、それを経てライアンが絆の足となって一緒に踊る場面は非常に感慨深かったです。


魅力的なキャラクターばかりでした。ただ前作好きだったイリスが脇役になってる感じが残念でした。スピンオフ作品のほうでは活躍してそうなのでそれもプレイできたらと思っています!
まとめ 前作並の驚き!遊びやすさも進化した傑作ミステリー
『AI: ソムニウム ファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』は、前作の魅力的な世界観を引き継ぎつつ、システム面や謎解きの面白さが大きく進化した素晴らしい正統続編でした。
特に、プレイヤーの認識を逆手に取った見事なシナリオ構成と、すべてのルートの情報が繋がり「そういうことか!」と腑に落ちた時の快感は、ミステリーやアドベンチャーゲームが好きなら絶対に味わってほしい体験です。
また、今作から新たに「ストーリーモード」が追加されたことで遊びやすさが格段に向上しています。アクションや時間制限が苦手な方でも、個性豊かなキャラクターたちとの掛け合い(相変わらずのギャグやメタ発言含む!)や、ソムニウム空間での奇想天外な探索を、自分のペースで心ゆくまで楽しめるようになりました。
「ハーフボディ連続殺人事件」という猟奇的なテーマや独特のギャグセンスなど、多少人を選ぶ部分はあります。しかし、それを補って余りあるほどの圧倒的なストーリー体験と、不器用ながらも愛おしいキャラクターたちの人間ドラマが詰まった作品です。
少しでも興味を持たれた方は、ぜひご自身の目でこの不可解な事件の真相と、彼らが辿り着く結末を見届けてみてください!
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