ゼロエスケープシリーズ完結!全体的な評価は?
極限脱出シリーズの完結編となる『ゼロエスケープ 刻のジレンマ』をついにクリアしました! 本作は物語が過去作とかなり強く繋がっているため、これからプレイする方は、1作目と2作目がセットになった『Zero Escape: The Nonary Games』を先にプレイしておくことを強くおすすめします。
個人的なシリーズの面白さの順位としては、「1作目 > 3作目(本作) > 2作目」という形になりました。 脱出ゲームのパートに関しては、パズルが簡単すぎず難しすぎない絶妙な塩梅で、程よい難易度になっています
今回は、そんな『刻のジレンマ』の特徴と魅力、そしてプレイする際の注意点をまとめていきます。
👇Zero Escape: The Nonary Gamesの感想記事も是非見てください!

『Zero Escape: Zero Time Dilemma』の基本情報
ジャンル:脱出アドベンチャー
対応プラットフォーム:Switch、PC(Steam)
Steam価格: ¥ 2,190(税込) セール時 ¥ 219(税込)等
プレイ時間:(初回クリア想定)約20時間
難易度:★★☆☆☆ 脱出ゲーム、謎解きはともに難しすぎないようにできています。ただフローチャートのどこに飛べば進めるかだけ若干難しい所があります。キーワードのメモも必須です。
『Zero Escape: Zero Time Dilemma』の特徴、魅力
脱出ゲームと究極の選択「ディシジョンゲーム」
今作も前作までと同様に「脱出ゲーム」がメインとなっていますが、そこに新たに「ディシジョンゲーム」という究極の選択を迫られるミニゲームが追加されています。
今回の舞台では、3人1組の3チーム(計9人)で行動することになりますが、最大の特徴は「6人が死ななければ、外に出るための扉が開かない」という非情なルールです。 これにより、チーム間での殺し合いが発生したり、逆に助け合いが起こったりと、ルートによって全く異なる展開が待ち受けており、常にヒヤヒヤしながらプレイすることになります。

デスゲームの緊張感と、知的好奇心をくすぐるパラドックス
前作・前々作にあったギャグ要素は少し控えめになりましたが、その分デスゲームの緊張感がダイレクトに伝わってきます。極限状態の中でキャラクターたちが放つ、ちょっとした皮肉めいたセリフが良いスパイスになっており、リアリティはさらに増していると感じました。

また、ストーリーの随所に「モンティ・ホール問題」や「眠り姫問題」といった有名な思考実験やパラドックスが取り入れられています。ただの脱出だけでなく、こうした知的好奇心をくすぐる要素を知ることができるのも本作の魅力の一つです。
世界観と見事にマッチした「フローチャート」システム
本作は物語の断片(フラグメント)をフローチャートから選択して進めていくシステムです。 色々な時間軸の断片をバラバラに見せられることになりますが、これには「活動時間が90分と決まっており、それを過ぎると記憶消去薬と睡眠薬を投与される」という明確な設定があります。

キャラクター自身も直前の記憶がない状態で目覚めるため、プレイヤーが時系列の違う断片をプレイしていく感覚と世界観が完璧にマッチしており、システムに対する違和感を全く感じさせない作りはお見事でした。

過去作キャラクターの集結!感情移入度が段違い
本作には、1作目から淳平と茜、2作目からはシグマとファイが登場します。 それぞれの過去の思惑や関係性が複雑に交差するため、1作目・2作目をクリアしてからプレイした身としては、キャラクターへの感情移入度が段違いでした。

冒頭でも触れましたが、過去作のキャラクターの背景を知っているかどうかで面白さが全く変わってくるため、やはり前作プレイは必須と言えるでしょう。

【※要注意】前作以上に過激なグロテスク・残酷描写について
最後に、プレイを検討している方に非常に重要な注意点があります。 本作は、1作目・2作目と比較して残酷描写(グロテスク表現)がかなり過激になっています。
直接的な犯行シーンがすべて画面に映るわけではありませんが、バラバラになった死体や、フッ酸(フッ化水素酸)を浴びて溶けてしまう描写、派手に飛び散る血しぶきなどが容赦なく描かれます。 そのため、流血表現やグロテスクな描写が苦手な方には、絶対におすすめできません。 プレイされる際は、CERO:D(17才以上対象)の限界に挑むような過激な表現が含まれていることを十分に覚悟してプレイしてください。
総合評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| ストーリー | ★★★★★ |
| キャラクター | ★★★★☆ |
| 推理要素 | ★★★★★ |
| 遊びやすさ | ★★★☆☆ |
| コストパフォーマンス | ★★★★☆ |
| おすすめ度 | ★★★★☆ |
ストーリー:3部作を見事に綺麗な形で完結させており、個人的には文句なしの高評価で「5」としました。ただしSF色の強い作品なので、SF要素が肌に合うかどうかで評価が変わってくる可能性はあります。
キャラクター:魅力的なキャラクターが多く登場した一方、淳平の変わりようには少し納得がいかない部分もあったため、その惜しさを含めて「4」としています。
推理要素:SF設定ありきの謎解きではあるものの、叙述トリックなども盛り込まれておりレベルが高かったため「5」としました。
遊びやすさ:フローチャートのどこに飛べば話が進むか若干わかりづらい部分があり「3」としました。
コストパフォーマンス:2,190円でプレイ時間が約20時間だったので、ボリューム的には十分満足できる内容でした。セールも多くワンコインで購入できることもあるため、その価格帯であれば文句なしの「5」に値すると感じています。
おすすめ度:3部作としてはおすすめ度が高い作品ですが、個人的に2作目がいまいちに感じてしまったこと、そして本作は2作目をプレイしていないと楽しめない構成になっている点も加味し「4」としました。
⚠️ここから先は『Zero Escape: Zero Time Dilemma』の攻略やエンディング・真相に関する重大なネタバレが含まれます!未プレイの方は絶対にブラウザバックしてください!⚠️
【ネタバレ有】
1作目と2作目を繋ぐ、完璧なミッシングリンク
今作は、まさに1作目と2作目の間を補完し、すべての謎を繋ぎ合わせる作品となっていました。
1作目の主人公・淳平とヒロイン・茜が、なぜ2作目『善人シボウデス』でABルームという過酷なゲームに仕掛けたり参加しなければならなかったのか。そして、シグマとファイが「ラジカル6」の拡散を防ぐために、裏でどのような行動をとる必要があったのか。これまで断片的にしか語られなかった事実が、ついに鮮明に描かれます。

最大の衝撃!ファイの出生とゼロの正体
そして今作をプレイして一番驚かされたのは、なんと言っても「ファイがシグマとダイアナの子供であり、ゼロの正体はファイの双子の兄・デルタだった」という衝撃の真実です。

デルタは歴史を跳躍する力(シフター)を持たない代わりに、他者の思考を読み、操ることができる「マインドハック」という能力を持っていました。物語中やフローチャート内で、ダイアナやカルロスが自分の意思に反してボタンを押してしまった場面なども、実はすべて彼の影響によるものだったのです。
プレイヤーだけを欺く究極の叙述トリック「Qチームは4人いた」
さらに驚愕したのは、デルタの「潜伏方法」と、ゲーム全体を使った叙述トリックです。
本作をプレイ中、私たちは「Qチームはショーン(ヘルメットの少年)、エリック、ミラの3人組」であり、少年の名前がQだと思い込まされていました。しかし、実際にはQチームには「目も見えず耳も聞こえない車椅子の老人(=Qであり、デルタ本人)」を含めた4人が存在していたのです。作中で犬のガブに向けて話しかけていると錯覚していた呼びかけも、実はすべて車椅子の老人(Q)に向けての発言でした。

デルタの真の目的と、本作のトリックへの感想
彼がこの狂気のデスゲームを仕組んだ最大の理由は、「究極の危機的状況を作り出し、自分とファイを誕生させる歴史を確定させること」。そして、ラジカル6が蔓延する世界と、別の要因で80億人が死亡する世界という最悪の未来を変えるため、参加者たちを団結させることでした。

この「Qチームは4人だった」というトリックは、物語内の登場人物たちは最初から事実を知っているため、「純粋に画面の前のプレイヤーだけを欺くための仕掛け」となっています。ゲームという媒体を逆手に取ったこの大胆な仕掛けには本当に度肝を抜かれました。一切の違和感なく背景に溶け込んでいた意外性の高さに全く気づくことができず、種明かしをされた時のすっきり感は凄まじかったです。

まとめ シリーズ完結!名作と呼ばれるのも納得の出来
前作の『善人シボウデス』では色々な要素を取り込みすぎた(風呂敷を広げすぎた)感じも少しありましたが、本作『刻のジレンマ』ではそれらの複雑な設定や伏線がしっかりと上手くまとめ上げられており、完結編として見事な着地を見せてくれました。
また、2作目で個人的に少し気になっていた「中盤以降のテンポがぐだってしまう」ような部分も本作では大きく改善されており、システム面でもストレスなくプレイしやすくなっていたのも好印象です。
過去作からの壮大な物語、究極の選択を迫られるシステム、そしてプレイヤーの予想を裏切る見事な叙述トリック。シリーズを通してプレイすることで最大限のカタルシスを味わえる、まさに「名作」と言われるのも納得の出来でした!
脱出ゲームやSFミステリー、伏線回収が好きな方は、ぜひ1作目からプレイして、この壮大で残酷な物語の結末を見届けてみてください。

👇 個人的ににおすすめできるミステリーゲームをまとめた記事を書きました!ぜひみて見てください!

ちなみに、まとめ記事の中でも直近で個人的に一番ヒットだったのが『魔法少女ノ魔女裁判』です!
Steamで「圧倒的に好評」を獲得した超濃厚なデスゲーム×ミステリーなので、絶望的な展開や考察が好きな方はぜひチェックしてみてください。
