【未解決事件は終わらせないといけないから】優しさから生まれる推理パズルゲーム【途中からネタバレ有】
本作は、退職から12年が経過した元・凄腕の女性警部「清崎蒼」となり、彼女が唯一解決できなかった「犀華ちゃん行方不明事件」の真相を紐解いていく推理アドベンチャーです。
バラバラになった関係者たちの「証言」と「記憶」をパズルのように組み替え、「誰が」「いつ」発言したのかを正しく整理していく斬新なシステムが特徴。すべてのピースが正しい位置に収まった時、思いもよらない事件の全貌が浮かび上がります。

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『未解決事件は終わらせないといけないから』の基本情報
ジャンル:推理アドベンチャー / パズル
対応プラットフォーム: Nintendo Switch、PC(Steam)
Steam価格: ¥ 800(税込) セール時 ¥ 560(税込)等
プレイ時間:(初回クリア想定)約2〜3時間
難易度: 低〜中(時間制限や間違えた際のペナルティはなく、正しい組み合わせだとピースがハマるような視覚的なサインもあるため、じっくり考えればクリアできます)
プレイ感想:最初はパニック、最後は極上のカタルシス!
本作をプレイして一番強く感じたのは、「バラバラだったパズルの全ピースが、最後にカチッと綺麗にはまる圧倒的な快感」です。
最初は正直、情報量の多さと複雑さに少し頭が疲れてしまうかもしれません。しかし、それこそが本作の仕掛ける極上のミステリー体験でした。
圧倒的な情報量と「誰が言ったか分からない」混乱
ゲーム開始直後、プレイヤーは時系列もバラバラな「ちぐはぐの証言」を大量に浴びせられます。 しかも、最初は「犀華の母」や「元英語教師」といった最低限の役職しかわからず、名前すら不明な状態。誰がどの発言をしたのかすら明かされていないため、証言の断片から「これは誰の発言か?」を推測して仮置きしていくという、非常に難解なスタートを切ります。


登場人物は「全員嘘つき」!見事に騙される巧みな罠
推理をさらに難しくさせるのが、「登場人物全員が嘘をついている」という点です。 最初に言っていたことと後からの証言に一貫性がなく、急に話が変わるため「本当に同じ人の証言か?」と疑心暗鬼になります。
また、本作はプレイヤーの先入観を突くのが非常に上手いです。 例えば、証言の中に「ママ」と呼ばれている描写や「娘」の話が出てきたら、安易に「これは犀華の母の証言だ」と推測してしまいますよね。しかし実際は、ママと呼ばれる別の人物がいたり、犀華の母の母(祖母)の証言だったりと、思い込みを利用した叙述トリックに終始騙されっぱなしでした。
すべてが繋がった瞬間の「そういうことか!」
新しい情報が次々と追加され、頭がパンクしそうになりながらも証言を整理していくと、徐々に点と点が繋がり始めます。 そして最後、すべての発言を「正しい時系列」と「正しい発言者」に結びつけ、一人一人の本当の証言が見えた時……「なるほど、そういうことだったのか!!」と、凄まじい納得感とカタルシスに包まれてゲームは終わります。
⚠️ここから先は『未解決事件は終わらせないといけないから』のエンディング・真相に関する重大なネタバレが含まれます!未プレイの方は絶対にブラウザバックしてください!⚠️
ネタバレ有:物語の優しい真実
二人の「せいか」と母親の狂気
実は、事件の中心にいる「犀華」という少女は二人存在していました。 一人は、理佐子の本当の娘である「原島 犀華」。彼女は未熟児として生まれ、生後わずか108日で亡くなっていました。しかし、娘の死を受け入れられなかった理佐子は精神を病み、死亡届を出さずに「娘はまだ生きている」と思い込んだまま年月が経ちます。 そして娘の就学通知書が届いたことをキッカケに、理佐子は公園で見かけた「同姓同名の全く別の少女(宮城 犀華)」を、自分の娘だと思い込んで誘拐してしまったのです。
なぜ「未解決事件」になったのか?
誘拐の事実に気づいた理佐子の元夫(公正)は、宮城犀華ちゃんを本当の親のもとへ返し、理佐子を庇うために「自分が誘拐した」と警察に自首します。 その際、公正は警察にある懇願をします。それは、理佐子が出してしまった「娘(原島犀華)が誘拐されたという失踪届」を、あえて捜査せずに未解決事件として扱ってほしいというものでした。
警察が捜査をして「あなたの本当の娘は、ずっと昔に亡くなっていますよ」という現実を突きつければ、理佐子の心は完全に壊れてしまう。だからこそ、「行方不明(=まだどこかで生きている)」という希望を理佐子に残すために、元夫は自らの人生を犠牲にして「永遠の未解決事件」を作り出したのです。
2つのエンディング
ノーマルエンド(心温まるミスリード)
画面右側の「退職した老警部・清崎蒼」のもとに訪ねてきた、画面左側の「若い女性警官」。 事件の全貌が明らかになった後、この若い女性警官の正体が、かつて誘拐されて助け出された被害者「宮城犀華」の成長した姿であったことが明かされます。 犀華が、自分を助けるために奔走してくれた清崎警部にお礼を言うためにやってきた……という、非常に心温まる感動的なエンディングです。


トゥルーエンド(最後のピースがハマる衝撃の真実)
ノーマルエンドの感動から一転、さらにもう一段階深い「真実」が明かされます。 実は、話を聞きに来ていた若い女性警官(左)こそが本物の「清崎蒼(警部)」であり、これまでプレイヤーが清崎警部だと思って操作していた老婆(右)の正体は、刑期を終えてなお精神が壊れたままの「誘拐犯・松田理佐子」だったことが判明します。 松田理佐子は精神に異常をきたし、自分を清崎警部だと思い込んでいました。本物の清崎警部は、壊れてしまった彼女の心を救い、本当の意味で「未解決事件を終わらせる」ために彼女の病室を訪れて話を合わせていた……という、救いの結末です。


まとめ:すべてのピースと「嘘」が優しさで繋がる名作
『未解決事件は終わらせないといけないから』は、単なる推理パズルにとどまらず、プレイヤーの先入観を逆手に取った見事な叙述トリックが光る傑作でした。
特にトゥルーエンドで「自分が誰を操作し、誰と話していたのか」という前提すらもひっくり返る瞬間は、まさにパズルの最後のピースが「カチッ」と音を立ててハマったような、圧倒的な鳥肌と感動がありました。
登場人物たちがついていた「嘘」や、事件が「未解決」にならざるを得なかった理由。そのすべてが、壊れてしまった誰かの心を守るための「優しさ」から生まれていたと分かった時、タイトルの本当の意味が胸に深く突き刺さります。
たった数時間という短いプレイ時間の中に、これほどまでに濃密なミステリーと狂気、そして深い人間愛が詰まった作品はなかなかありません。クリア後には、しばらく画面の前で優しい余韻に浸ってしまう……そんな、一生心に残るような素晴らしいゲーム体験でした!
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