【レイジングループ】人狼×死に戻りの極限ミステリー【途中からネタバレ有】
「人狼ゲーム」×「死に戻り」。一見相性が悪そうに見えるが、圧倒的なテキスト量と緻密なプロットで唯一無二のエンターテインメントへと昇華させたのが『レイジングループ』です。
本作の舞台で行われるのは、古き因習に縛られた村人たちによる命がけの儀式「黄泉忌みの宴」。私たちがよく知る「人狼ゲーム」のルールがベースにありながら、一筋縄ではいかない登場人物たちの思惑や、村独自の奇妙なルールが絡み合い、本来のセオリーが通用しない予測不能な展開がプレイヤーを待ち受けています。
死ぬたびに謎が解け、新たな選択肢が開かれていく快感。単なるホラーの枠に収まらない、緻密に構成されたミステリーとしての完成度は目を見張るものがあります。
本記事では、本作の基本システムから、なぜこれほどまでに心理戦が熱いのか、その魅力の深層に迫ります。
👇 個人的におすすめできるミステリーゲームをまとめた記事を書きました!ぜひ見てみてください!

『レイジングループ』の基本情報
ジャンル: 和風伝奇ホラー・ミステリーノベル(人狼ゲーム×ループもの)
対応プラットフォーム: PC(Steam)、Nintendo Switch、PlayStation 4、スマートフォン(iOS / Android) Steam価格: ¥ 3,056(税込) ※大型セール時は半額の ¥ 1,528(税込)前後になることが多いです
プレイ時間: 約30時間~40時間(すべてのエンディングと謎解きを見るまでの想定)
難易度: 便利な「シナリオチャート機能」があり、いつでも好きな分岐点に飛んでやり直せます。ゲームオーバー(死に戻り)を繰り返して情報を集めていくシステムなので、こまめなセーブに追われることなく、純粋に推理とストーリーに没頭できます。
登場人物
房石 陽明(ふさいし はるあき)
本作の主人公。バイク旅行中に道に迷って事故に遭い、休水(やすみず)集落に辿り着いた24歳の青年。誰に対しても人当たりが良く好青年に振る舞うが、内心では自らの人格が他人に比べて歪んでいると自覚している。死ぬと特定の時間に戻る「死に戻り」の現象を利用し、惨劇の回避を目指す。
芹澤 千枝実(せりざわ ちえみ)
本作のメインヒロイン。休水出身の女子大生で、休水集落に帰省中に事件に巻き込まれる。明るくサバサバした性格で、余所者の房石を休水に匿い、親身になって手助けしてくれる。
回末 李花子(うえまつ りかこ)
藤良村の有力者「四家」のひとつ、回末家の末裔。3年前から本人の希望で休水に移り住んでいる。少し古風な言葉遣いをするミステリアスな雰囲気の女性だが、やや天然でドジな一面も見せる。



その他登場キャラクター
巻島 春(まきしま はる) 休水に住む女子高生で、巻島寛造の孫娘。過去のトラウマから精神的に不安定なところがあり、非常に内気で臆病な性格。
巻島 寛造(まきしま かんぞう) 春の祖父。休水を取り仕切る頑固で保守的な長老格。猟師としての腕が立ち、よそ者である房石に対して強い警戒心と敵意を向ける。
織部 かおり(おりべ かおり) 休水で食堂を切り盛りしている女性で、泰長と義次の母親。外から嫁いできた人間。何よりも家族の絆を第一に考えている。
織部 泰長(おりべ やすなが) かおりの長男で男子高生。学生寮に住んでいる。休水には珍しく聡明で頭の回転が速く、将来は法学部への進学を考えている論理的な思考の持ち主。
織部 義次(おりべ よしつぐ) かおりの次男で泰長の弟。反抗期の真っ最中の中学生で、学校も休みがち。房石や母親に対して常に棘のある態度をとるが、根は家族思い。
醸田 近望(かもしだ ちかもち) 休水に住む男子高生で、泰長の友人。周囲からは「モッチー」と呼ばれている。飄々としており、空気を読まない奇抜な発言やエキセントリックな行動が目立つ。
室 匠(むろ たくみ) 休水の農業と猟師のまとめ役。実直で真面目な青年で、村人からの信頼も厚くリーダー格として振る舞うが、想定外の事態に弱く、意見に流されやすい一面もある。
山脇 多恵(やまわき たえ) 休水に住む老女。村の伝承や「黄泉忌みの宴」の言い伝えに誰よりも詳しく、信仰心が非常に篤い。匠のことを本当の孫のように可愛がっている。
狼じじい 休水で狂人扱いされている老人。常に「狼が来る」と不吉な予言をつぶやきながら村を徘徊している。
能里 清之介(のさと きよのすけ) 藤良村の有力者「四家」の筆頭である能里家の次男。非常に傲慢でプライドが高く、休水の古いしきたりを嫌悪しているが、根っからの悪人ではない。
馬宮 久子(まみや ひさこ) 「宝生キューコ」のペンネームで活動しているB級グルメ系のフリーライター。藤良村に伝わる郷土料理「ししなれ」の取材のため、橋本と共に休水にやってきた。オカルト方面の知識も豊富に持つ。
橋本 雄大(はしもと ゆうだい)巨漢のカメラマン。馬宮久子の仕事上のパートナーとして休水集落を訪れる。仕事中は寡黙だが、プライベートでは社交的な人物。妻子持ち。
めー子(めーこ) 陽明が休水を訪れる前日に集落に迷い込んだ幼い女の子。名前を言わずめぇめぇと泣くためこのように呼ばれている。
黄泉忌みの宴
基本は「人狼ゲーム」: 毎晩、村人に紛れ込んだ「人狼」が誰か1人を殺し、昼間は村人全員で話し合って怪しい人物を1人「処刑(くくる)」するデスゲームです。
レイジングループ独自の役職:
- へび(占い師): 毎晩1人を選んで、人狼かどうかを知ることができる。
- からす(霊媒師): 昼間に処刑した人物が、人狼だったかどうかを知ることができる。
- くも(狩人): 毎晩1人を選んで、人狼の襲撃から守ることができる。
- さる(共有者): 2人1組。お互いが確実に「人間」だと分かっている。

※実は基本ルールの他にも、物語を進めることで発覚する「イレギュラーな役職」が存在するのですが……それがどう物語を狂わせていくのかは、ネタバレの方に書いています!
このゲームの魅力
大元のルールが人狼ゲームをベースにしているので、人狼ゲームをやったことがある人には物語に入りやすいです。自分も人狼ゲームは見る事が多かったためルールを聞きながら役職を変換してすぐ理解できました。
ただこのゲーム、導入でも書いた通りただの人狼ゲームではありません。もし自分が参加し、本当に死ぬとしたら?占い師だから『自分の役目を果たしたら死んでもいい』とは簡単には割り切れない点や、一緒に参加するメンバーの中に好きな人・嫌いな人がいたらどう振る舞うか?」という殺し合いめいたものになっています。
また、死に戻りがかかわっているので、何人か占って答えが分かっている状況で最善手を選ぶこともあります。ただ一部の選択肢は特定の「KEY」がないと選択することができない仕様となっているため、死ぬことは必須になっている所もあります。
ただ人狼ゲームをメインとして楽しみたいと思いプレイすると、自分で選択して状況を変えられる場面がそこまで多くないためちょっと残念に思うこともあるかもしれません。
それでも大きく分けて3ルートの人狼ゲームを体験でき、プレイ時間も30時間越えのボリュームがあり、最後の終わり方も個人的には長時間プレイした甲斐があったと言えるものだったと思うのでぜひプレイして欲しいです。
ちなみに、ホラーやグロテスクな描写が苦手な方でも大丈夫です!急に驚かされるような演出は少なく、残酷表現のON、OFFが可能です。
⚠️ここから先は『レイジングループ』のエンディング・真相に関する重大なネタバレが含まれます!未プレイの方は絶対にブラウザバックしてください!⚠️
【ネタバレ有】3つの大きなルートと解決
このゲームは大きく3つのルートに分かれます。一つクリアしてKEYを得て次にという感じなので誰もが同じルートで進むことになります。
黄泉ルート
主人公陽明が千枝実のおかげで死なずに済んだが、肝心の黄泉忌みの宴には参加できず、千枝実を外からサポートし登場人物のキャラクター性や宴のルール等ぼんやりとわかっていくチュートリアル的なルート。
陽明の頭の良さがとにかく目立ち、死に戻りがあるしもし参加することになっても安心だろうと見ていられました。
とりあえず千枝実とのやり取りが好きだったので、運命にとらわれていて休水(やすみず)から逃げられない千枝実とこの現象を解決して結ばれる幸せなルートがなかったら絶対許せない!という気持ちにさせられました。



機知ルート
陽明がフリーライターの馬宮と共に宴にへび(占い師)として参加するルートです。新たに一緒に参加する馬宮がかなりのキレ者そうだと思っていたのですが、人狼になって狂気に耐えられず仲間に売られるというのが少し残念。
2周目のやりとりということもありだいぶキャラクターへの理解も増えていき、この人ならこう言いそうみたいなのが予測できるようになっていきかなり楽しくプレイしていました。
ただへびでの役割で、ヒト側が勝つための立ち回り=陽明の死=死に戻りなのが最初はわかっていなくて、どうやれば勝てるかなと人狼ルールに忠実だとだめなのも、このゲームだとそうだよなぁと思い知らされました。
ただ陽明の「今回は、彼女に義理を立てなきゃな。」で李花子さんルートに入るのは、千枝実とあんな親しい関係になったのに!?と少しだけもやっとしましたが、李花子のポンコツっぷりが知れたいいルートでした。
最後は千枝実とモッチーの狼を追い詰めてのルートでしたが、千枝実がかなり投げやりな狼だったり、春が不穏な事を言ったりと後々の伏線を潜ませているルートだと、後から思い返してみると感じました。



暗黒ルート
2回の宴を経て、情報アドバンテージをかなり重ね簡単な宴になるかと思ったら、助けた巨漢のカメラマン橋本 雄大が陽明以上のキレ者で、狼としての苦悩を味わわされるルート。同じ仲間の狼が家族第一の織部 かおりと前のルートで不穏だった巻島 春という爆弾を抱えたチームで、その中でどう進むのかというハラハラした展開。へびを偽り進めていきます。
橋本さんの誘導尋問をなんとかかわしていたら、いきなり春がむじなの汚名を着せられたかみさまと判明して、そのかみさままで落としにかかるという暴挙を繰り広げるという…そこで陽明という人間はこういうものなんだろうとやっと理解しました。(それでも千枝実をしっかり責任もてよとは思ってました)



夜間での狼行動時に渡したライトが春の部屋から見つかってしまい、狼なのがばれてしまいましたが、春がかばい自分のことを好きになってしまったヒトとして扱われ逃げ切り、ほぼ全滅になってしまい…大怪物が復活してしまうというルートでした。
それだけでは終わらずに、なぜかヒントコーナーに出てくるひつじが登場し、この巻き戻りを使って大怪物を生み出そうとした黒幕を見つけ阻止しろと言われます。とにかく色々なことがだんだん繋がってきたルートでした。



すべてを得ての解決
暗黒EDのKEYを使ったチャートで、まさかの千枝実も死に戻り能力を持っていることが判明。そこから二人で協力し死に戻りを使って配役の規則性や人狼ゲームの攻略など試し、陽明はいままで詳しく話せていなかった人物と話していくことになります。
寛造に春のことを聞いたり、馬宮にオカルトの話を詳しく聞いたり、清之介と長者の歴史や役割を調べたり、狼じじいの正体を暴いたり、死に戻りを上手く使って情報を得ていきどんどん真相に近づいていきやめられなくなっていました。



おおかみさまを語り藤良村の呪縛を解き、千枝実に神殺しをさせ、春についたかみさまを本当のかみさまにする、そのうえで宴を開催させていた三車問題も解決するという陽明の行動力のすごさにただただ感服させられました。
そして黒幕李花子の大怪物復活に房石陽明が偽名という叙述トリックをかまして解決(その前にめー子が力を奪いましたが)、とにかくこいつが一番狂気だったんだなとつくづく思わされました。



終わった後の暴露モード(登場人物の心情や行動が見えるモード)を見ると千枝実の死に戻りでの心のやられ方がひどく辛そうだったので結ばれたことが個人的にはとても報われた感じで満足しています。
ネタバレ有のキャラクター感想
房石 陽明(ふさいし はるあき)
一言で言うと狂人。死に戻りを繰り返しすぎて狂ってしまった千枝実と違い、数回死に戻っただけで「狼の四肢をもぐ」という発想に至り、他のキャラ達からドン引きされている主人公。偽名を使っているし「本当にただの大学生?」と疑っていましたが、ミステリー作家ということなので多少納得できました。
ルートによって異なる女性を攻略していますが、最終的にすべてを解決して千枝実とくっついたので、個人的には良しとします!(別エンドでしっかり他キャラEDもありますが)
芹澤 千枝実(せりざわ ちえみ)
「ぶっしゅぶっしゅ殺しちゃう」バーサーカー。死に戻りという能力を持ってしまったことで狂っていく過程が個人的には見ていて辛く、暴露モードでの心境も知っていたので、最大の理解者である陽明が来てくれて本当に良かったなと思いました。陽明と同じ陣営になれなかったこともあり、少し投げやりなプレイングだったため、宴の盛り上がり的にはいまいちだったのだけが残念です。
それでも、あの狂人・陽明と言葉で殴り合いができるほど逞しく、根は明るくて優しいところがある、かなり好きなキャラクターでした。

回末 李花子(うえまつ りかこ)
かなりミステリアスで奥ゆかしいキャラかと思わせての、まさかのポンコツっぷりというギャップが非常に印象的でした。しかしよくよくストーリーを見返すと、陽明の死に戻りにいち早く気づいたり、千枝実の印象を良くするために自らけがれを受けて苦しんででも目標を達成しようとする、一貫した信念がありました。
最後はしっかり負けヒロインとしての自覚を持ち、早々に手を引く潔さも良かったです。エクストラでの能里さんとのやり取りも面白く、彼女のやったことは許されないですが、どこかで幸せになってほしいと願ってしまいます。


その他登場キャラは多すぎるため短めに
巻島 春(まきしま はる)かみさま、可愛いですよ。後半はかみさまの可愛さに隠れがちですが、悪役に徹する方針や自己犠牲など、かなり芯の強い子だったと思います。暴露モードで陽明のギャグに笑わないよう必死に堪えていたのもポイント高かったです。
巻島 寛造(まきしま かんぞう)過去の宴を経験しており、知識も豊富で頼れる存在。最初のルートで加護持ちだった時の印象が強く、少し頼りないかと思っていましたが、中盤以降で印象がガラリと変わりました。
織部 かおり(おりべ かおり) 敵に回しても味方にしても「息子のこと」という特大の爆弾を抱えた人。ダイイングメッセージを試したりと、意外と地頭の良さがあるなと感じました。
織部 泰長(おりべ やすなが) 聡明で頭の回転が速く、常に宴の中心にいる人物。狼になった時も、最後は千枝実を逃げ切らせるために策を巡らせて陽明の上をいく部分もあり、好印象でした。
織部 義次(おりべ よしつぐ)手を打たないと初日で死んでしまうという無鉄砲さ。ただ、加護を名乗り出る時の命がけの行動は素直にかっこよかったです。
醸田 近望(かもしだ ちかもち) モッチーの頭の良さ、勘の良さがどう関わってくるか期待していましたが、本筋にそこまで深く絡んでこなかったのは少し残念。ただ、春とかみさまのことを上手く導いていける才はあると思っています。
室 匠(むろ たくみ) へびだったこともあり、他ルートでは活躍の前に死んでしまうことが多かった青年。宴でのデメリットになっていた優しさや甘さを、最後はしっかり乗り越えていい活躍をしてくれました。
山脇 多恵(やまわき たえ)宴ではいまいちパッとしませんでしたが、しきたりをしっかり守るその心で、解決後の村をきっと良いものにしてくれると思っています。
狼じじい 三車と共に裏で糸を引いていた大量虐殺の犯人。被害者が多い中、ここまで非道なキャラを完全にバレずに演じ切っていたのは凄かったです。
能里 清之介(のさと きよのすけ) 多分このゲームをやった人、全員が好きになるキャラクター。最初はただ長者を持ち上げるだけの軽い人に見せておいて、実は李花子のことを一途に思い続け、彼女が黒幕だったことも、ポンコツだったこともすべて受け入れて幸せにする覚悟がある、男の中の男。
馬宮 久子(まみや ひさこ)最初は凄く頭の良さそうな人の印象だったので、村の狂気に当てられて狼に利用されるだけの人間だったのかな…と少し違和感がありました。しかし最後は橋本さんとの協力で、陽明をも上回る行動を起こせる「できる女」でした。
橋本 雄大(はしもと ゆうだい) 経験者のような的確な発言で、常に他の人の心を安定させつつ鋭い推理ができるヤバい人。この人になら死に戻りの能力を明かしてもよくて、最初から協力していればもっと早く解決できたのでは?と思いました。
めー子(めーこ)結局、正体は何だったんだろう?という感想。幼いながらもむじなのルールをしっかり教わり、恐怖の中でも頑張っていたのは可愛かったです。むじなのルールを一生懸命教えている大人たちもちょっと和みました。
美佐峰美辻(みさみね みつじ)物語の最初に出会う「絶対あとで何かあるだろう」と思ったら案の定あったコンビニ店員。謎の組織に属する夢使いで、正体はあの「ひつじ」。口の悪さなどに意識していれば気づけたのかもしれませんが、私は気づけませんでした!
まとめ
今回は『レイジングループ』のクリア後レビューをお届けしました!
30時間超えという大ボリュームでしたが、次々と明かされる村の真実や、点と点が繋がる見事な伏線回収の連続に、最後まで全くダレることなく夢中でプレイしてしまいました。 「人狼ゲーム」のヒリヒリとした心理戦が好きで、なおかつ先の読めない極上のミステリーをどっぷり味わいたいという方には、自信を持っておすすめできる歴史的な名作です!
👇 推理ゲーム好きに自分が自信をもっておすすめできる作品のクリアレビューです。よかったらこちらも是非見てください!



