残されたのは一台の端末。「事後」から始まるデスゲーム
最近発売された新作アドベンチャー『デスゲームの報告書』をクリアしました。
「早急に報告書を提出せよ。」 プレイヤーに託された任務はたった一つ。数日前に無人島で行われたデスゲームの全記録を復元し、報告書を提出することです。
本作は、プレイヤー自身がデスゲームに参加して生き残りを図るのではなく、古びた端末を通して「すでに終わった惨劇の真相」を暴いていくという特異な立ち位置の作品です。これまで様々なデスゲーム作品をプレイしてきましたが、本作は残された断片的なテキストから真相を導き出す、純度の高いパズル的な推理が楽しめます。

『デスゲームの報告書』の基本情報
ジャンル:アドベンチャー
対応プラットフォーム:PC(Steam)
Steam価格: ¥500(税込)
プレイ時間:(初回クリア想定)約3時間
難易度:★☆☆☆☆ 論理パズルとしてはかなり直感でわかりやすく作られているため優しめです。ヒント機能も充実しています。
『デスゲームの報告書』の特徴、魅力
本作の最大の特徴は、『ギルド探求団へようこそ』を彷彿とさせるロジカルな推理システムです。
3つの要素を特定して「確定」させる
プレイヤーは「死者の記録」「生徒名簿」「島の地図」という3つの限られた手がかりを武器に、被害者となった生徒全員の〈死因・凶器・加害者〉を特定していきます。3人分の正解が揃うと記録が「確定」し、互いの記録が繋がって新たな死の輪郭が浮かび上がるという、ピースが噛み合うような快感が味わえます。

法則性を読み解く「記録の復元」
生徒たちの死に際の資料は、最初から全て読めるわけではありません。名前の法則などをしっかり理解し、資料名のナンバーを絞り出して自ら打ち込むことで記録を復元していく必要があります。システム自体に謎解き要素が組み込まれており、プレイヤーの思考を休ませません。
レトロな1bit端末表現
ゲーム画面は単色1bitのレトロな端末テキストが中心です。写実的なグロテスク描写はなく、あくまで文章から状況を想像させる作りになっているため、純粋な推理作業に没頭できます。行き詰まった際のヒント機能も完備されています。

理不尽な状況下での「想い」に触れる切なさ
復元するテキストは、事件の単なる証拠品ではなく「死ぬ間際の記録」です。彼らが最期に何を思い、誰を信じて散っていったのか。心の内の想いを知ることで、生徒同士の関係性が浮き彫りになり、非常に切ない気持ちにさせられます。信頼し合っていた仲間同士が殺し合いに発展していく、デスゲーム特有の残酷な面白さとドラマ性がテキストの端々から濃厚に感じられます。
推理の導線が美しい、絶妙な難易度設定
難易度としては同じようなシステムのゲームの『ギルド探求団へようこそ』よりもマイルドに調整されており、非常に遊びやすい印象を受けました。人物名や凶器の言い回しがぼかされていても、解放した情報のすぐ近くに特定のヒントが隠されていることが多く、すべてのページを遡って探し回るような徒労感がありません。理不尽な詰まり方がなく、自分の推理がスムーズに繋がっていく心地よさを最後まで堪能できます。
👇ギルド探求団へようこそがどんなゲームか気になった方はこちらの記事をご覧ください!

総合評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| ストーリー | ★★★☆☆ |
| キャラクター | ★★★★★ |
| 推理要素 | ★★★★★ |
| 遊びやすさ | ★★★★★ |
| コストパフォーマンス | ★★★★☆ |
| おすすめ度 | ★★★★★ |
ストーリー:デスゲームの顛末を追う物語として面白くはあるのですが、世界観や背景設定自体は若干よくあるもののように感じてしまったため「3」としました。
キャラクター:登場人物はかなり多いのですが、それぞれのキャラクターの死に際の心情を短いテキストながら上手く描いており、強く印象に残るものだったため「5」としました。
推理要素:論理パズルとして非常に出来が良く、難しすぎない絶妙なバランスで、すべてのピースが繋がった時のすっきり感が強かったため「5」としました。
遊びやすさ:選択式で直感的に答えを選びやすく、システム周りもプレイヤーが迷わず推理に集中できるようかなり遊びやすく構築されているため「5」としました。
コストパフォーマンス:想定プレイ時間は4~5時間と記載されていましたが、実際は3時間程度でクリアしました。500円という価格を考えれば十分お買い得ですが、プレイ時間を考慮して今回は「4」としています。
おすすめ度:500円という価格でありながら、論理パズルとしての完成度が非常に高く、数時間でしっかりとした推理体験を楽しめる作品です。デスゲームや謎解きが好きな人はもちろん、難しすぎる推理ゲームが苦手な人にもおすすめしやすいため「5」としました。
⚠️ここから先は『デスゲームの報告書』の攻略やエンディング・真相に関する重大なネタバレが含まれます!未プレイの方は絶対にブラウザバックしてください!⚠️
【ネタバレ有】
本作のシナリオの醍醐味は、徐々に明らかになる生徒たちの最期と、中盤以降に「確定していた死」が覆される展開にあります。
記録を読み進めて気づいた「人数」の違和感
生徒たちの死に際の記録を読み進めていく中で、ある生徒が「自分は生き残っているのに、40人の生徒全員が死んでいることになっている」という人数の矛盾に気づきます。これはデスゲーム作品における王道とも言える「参加者の一人が死を偽装して生き延びている」という展開への見事な導入でした。

序盤から気になっていた「軍服の大人」について
序盤から加害者が「軍服の大人」となっている不自然な死が一つあり、誰を加害者に選べばいいのか分からないまま、長らくもやもやと放置することになります。
しかし、物語が進むにつれてその真相が明らかになります。なんと、序盤に「制限エリアでの死亡」として確定させていた「永井」こそが、死を偽装して生き延びていた真犯人だったのです。

あとから振り返ると、本当に制限エリアで死亡した生徒たちは全員「頭の奥でエラー音が鳴り、爆破される」という明確な描写がされています。しかし、永井の記録にはその爆破描写がありませんでした。

「この伏線に気づいた瞬間の『ああ、そういうことだったのか!』という感覚は、テキストベースの推理ゲームとして非常に美しく、プレイヤーを唸らせるポイントです。
世界観の掘り下げに関する個人的な所感
全体を通して非常に面白く、システムも秀逸な作品でしたが、少しだけ惜しいと感じた点もありました。
それは、このデスゲームが「適正選別」で行われているという描写があるものの、どういった世界観だったのか全貌が結局わからなかったことです。
デスゲームという極限状態を主催するからには、それ相応の重い設定や社会背景があるものと期待してプレイしていたため、「適正選別が行われた」という事実だけでは、物語のスケールとして少し物足りなさを感じてしまいました。
生徒たちの内面や関係性の描写が素晴らしかっただけに、外側の世界観がもう少し掘り下げられていれば、さらに深い没入感が得られたかもしれません。
まとめ
世界観や背景設定については少し物足りなさを感じる部分もありましたが、それを補って余りあるほど「キャラクターの心情」が非常に上手く表現されている作品です。 参加する登場人物が多いにもかかわらず、一人ひとりがどんなキャラクターだったか不思議と記憶に残るほど描写が丁寧で、テキストとしてかなりの読み応えがありました。
ワンコインの500円でプレイできるお手軽な作品でありながら、すべての死因や法則が繋がり、真相が明らかになったときの「すっきり度」は格別です。 数時間で濃厚なパズル的推理が楽しめるので、気になった方はぜひプレイしてみてください。
👇 個人的ににおすすめできるミステリーゲームをまとめた記事を書きました!ぜひみて見てください!

ちなみに、まとめ記事の中でも直近で個人的に一番ヒットだったのが『魔法少女ノ魔女裁判』です!
Steamで「圧倒的に好評」を獲得した超濃厚なデスゲーム×ミステリーなので、絶望的な展開や考察が好きな方はぜひチェックしてみてください。
