【途中からネタバレ有】前作超えの圧倒的スッキリ感!【パラノマサイト】
前作で「圧倒的好評」を獲得した話題のホラーミステリーアドベンチャー、待望のシリーズ最新作『パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語』をクリアしました!
舞台は前作の東京都墨田区から、伊勢湾に浮かぶ離島へ。今回は「人魚伝説」をモチーフに、数百年にも及ぶ歴史と呪いが絡み合う群像伝奇ミステリーとなっています。
前作の『本所七不思議』も止めどころが分からない面白さでしたが、今作は序盤のシステム面が改善されており、気づきにくい要素が減って非常に快適にプレイできました!過去の歴史やそれぞれのキャラクターが抱えるドラマが前作以上にスケールアップしており、個人的には前作で少しだけ感じた「結末の物足りなさ」が一切ない、大満足のストーリーでした。
前作の情報等も少し出てくるので先にやると前作のキャラのその後が少し知れるため前作から遊んだほうが楽しめますが、今作からやっても問題ない程度でした。
ただ、正直にお伝えすると……少し人を選ぶかな?というポイントもいくつかありました。
個人的に気になったポイント
- 情報量が多い: 歴史要素が濃密で情報の整理に少し疲れてしまった。ゲームというより「重厚なミステリー小説」を読んでいる感覚に近い。
- 後半のギミックが難解: 自分は色々試したがわからず攻略サイトを見た。それでもスッと腑に落ちないくらい、かなり分かりづらかった。
活字を読むのが好きな方や、作り込まれた世界観にどっぷり浸かりたい方には最高の没入感をもたらしてくれますが、サクッと手軽に遊びたい方には少しカロリーが高く感じるかもしれません。
この記事では、まだプレイしていない方に向けて「前作からどう進化したの?」「どんな魅力があるの?」をネタバレ一切なしでご紹介します!気になっている方はぜひ購入の参考にしてくださいね。
(※記事の後半には、クリア済みの方向けのネタバレあり感想も用意しています!)

👇前作の感想「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」の感想はこちら。物足りなさなど正直に書いています!

👇 個人的におすすめできるミステリーゲームをまとめた記事を書きました!ぜひみて見てください!

『パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語』の基本情報
ジャンル:ホラーミステリーADV
対応プラットフォーム: Nintendo Switch、PC(Steam)、iOS、Android
Steam価格: ¥ 2,480(税込) セール時 ¥ 1984(税込)等
プレイ時間:(初回クリア想定) 約15~20時間
難易度:途中派までは物語をしっかり見て入ればそこまで難しくないが、最後の謎解きだけ理不尽さを感じた
パラノマサイト 伊勢人魚物語の特徴、魅力
昭和レトロな世界観と、じわじわ迫る「360度パノラマ」の恐怖
前作で大好評だった、どこか懐かしくも薄暗い「昭和後期のレトロな空気感」と、周囲をぐるりと見渡せる「360度パノラマシステム」は今作でも健在です!
ホラーゲームにありがちな、いきなり大きな音や画像で驚かされるような「ジャンプスケア(ビックリ要素)」は今作では少なめになっています。しかし、その代わりにあるのが「自分で背後を振り返らなければならない」という心理的な恐怖。360度見渡せるからこそ、「後ろに何かがいるかもしれない…」という日本ホラー特有のじわじわとした不気味さが常に付きまとい、最高の没入感を味わえます。
また主人公が1人ではなく、複数のキャラクターの視点をザッピング(切り替え)しながら進めるシステムです。前作にはない追想潜入という要素があり、過去にあった出来事を振り返ることができるので後で過去にこのことがあったからそういう反応だったんだ!と気づけることも多かったです。


魅力的なキャラと「特殊能力」の存在
パラノマサイトシリーズ最大の魅力は、なんといっても登場するキャラクターたちにあります!シリアスで重々しい空気感のなかでも、真顔でふざけたことを言い合うような独特の「言葉のセンス」が光っており、これが本当に秀逸です。
特に、前作をプレイした方なら大きく頷いていただけると思うのですが、本作の開発陣はとにかく「ちょっとおどけた、おちゃらけたおじさん」を描くのが天才的に上手いです!今作でもその絶妙な愛嬌と人間臭さは健在で、読み進めるうちにどんどんキャラクターたちに愛着が湧いてしまいます。
さらに面白いのが、そんな人間味あふれる魅力的なキャラクターの一部が「特殊能力」を持っているという点です。ただでさえ癖の強いキャラクターたちが、それぞれの思惑を抱えながら人間離れした能力を駆使して駆け引きを行うため、キャラクターの深みや魅力がより一層引き立っています。普通のミステリーでは味わえない、予測不能な展開にグイグイ引き込まれること間違いなしです!


膨大な情報をサポートする「親切な資料システム」
導入部分でも触れた通り、本作は歴史の背景やキャラクターの思惑など、押し寄せる情報量が非常に多い作品です。
「途中で話が分からなくなったらどうしよう…」と不安になるかもしれませんが、そこはご安心を!作中で登場した用語や人物の情報は、いつでもメニューの「資料」から読み返すことが可能です。
情報がこんがらがってしまっても、わからなくなったタイミングで都度いつでも確認できる親切設計になっているため、自分のペースでじっくりと腰を据えて謎解きに集中できます。
こんな人におすすめ!(総評)
- 昭和レトロな雰囲気、歴史が好きな人
- アクション操作なしで、じっくりテキストを読みたい人
- 魅力的なキャラクターたちの掛け合いを楽しみたい人
ミステリー小説が好きな人はとりあえずプレイしてみるのをおすすめします!前作よりもジャンプスケアなどホラー要素もほとんどないのでホラーが苦手な人でも安心してプレイすることができます。グロ要素も血の描写はありますが、内臓などが見えるような直接的な描写ではないです。
⚠️ここから先は『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』、『パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語』のエンディング・真相に関する重大なネタバレが含まれます!未プレイの方は絶対にブラウザバックしてください!⚠️
【ネタバレ全開】前作を超える面白さ、物語のすっきり感
プレイヤーの「正体」と、鮮やかな伏線回収
前作『本所七不思議』をプレイしていた身としては、「このシリーズはメタ要素が絡んでくるぞ」と完全に身構えていました。「今回も『自分(プレイヤー)』は何か特別な存在なんだろうな…」と推理しながら進めていたのですが、その正体の明かされ方には思わず唸らされました。
まさかプレイヤーの正体が、不老不死の水口勇佐が「平家の呪い」によって頭部を切り落とされた時に生じた精神体だったとは……!
しかもこれ、唐突な後付け設定ではなく、作中で「ちゃんと頭部が切り離されて、体が復元された場合はどうなるのか?」という議論が事前に交わされていました。少し含みを持った感じの会話なので気にはかけていましたが、それが綺麗に回収された形となります。ミステリーアドベンチャーとしての骨組みが本当にしっかりしています。


「追想」システムが生み出す、圧倒的なスッキリ感
今作で非常に面白かったのが、現在から振り返って過去の出来事を見る「追想」という見せ方です。
このシステムのおかげで、一度エンディングを見た後でも「あの時、裏でこんなことが起きていたのか!」と後から知れて、ピースがカチッとはまるような納得感を何度も味わえました。
特に、ノーマルエンドで勇佐が大泣きしていた理由が後から「追想」によって過去の告白の部分を知り腑に落ちた瞬間は、シナリオの構成力に脱帽しました。情報量が多い分、こうして後からしっかり謎を解き明かしてくれる丁寧な作りはとてもありがたかったです。


大満足のハッピーエンド!
そして個人的に一番嬉しかったのが、物語の結末です。
呪いを扱った話という性質上、残念ながら死者自体は出てしまうのですが…それでも最終的には大きな犠牲がなく、平和に物語が幕を閉じてくれました。前作で感じていた「結末の物足りなさ」は綺麗に払拭されています。
根っからのハッピーエンド好きな自分としては、推していたカップリングのキャラが2組も結ばれた(アザミも勇佐が平和に生きていけているのできっと結ばれているはず)のが最高のボーナスでした!重厚でシリアスな歴史ミステリーをくぐり抜けた先に、キャラクターたちが幸せになる姿を見届けられたことで、クリア後の読後感は「あー、面白かった!」という最高の充実感に包まれました。


個人的に好きだったキャラクター
雲居アザミ
個人的にアザミがいなかったらそもそも物語が始まっていなかったのでは?と思うくらいです。とにかく優しさがはんぱなく、勇佐の話を全面的に信じて行動すること、つかさが呪いによって殺されるのを守ろうと身を挺して庇おうとしている等、良い奴すぎて個人的に一番好きだった。
つかさとめっちゃお似合いだなと思っていて、つかさが別の人を好きという所で少し不満があったが、最後に結ばれそうなので末永く応援したいと思いました。


アルナーヴ・バーナム
先ほど「ちょっとおどけた、おちゃらけたおじさん」を描くのが天才的に上手いといった今回のおちゃらけたおじさん枠。愛称は「アヴィ」。ロマンを求めて、自分のロマン心に火が付いたら宝具の玉手箱すらすんなり里に譲ってしまうくらい情熱に熱く、人情に厚い人。少し冷めてるキルケとちょうどいい塩梅でいいコンビだなと思いました。
記事用にと撮っていたアヴィの面白反応だけで結構SSがたまっていました。


志貴 結命子
最初に志貴 結命子が出たときは凄くうさん臭くて黒幕的な感じなのかなと思ったら早々に心霊対策室の人間とわかり前作の津詰徹生を見ている気持ちになりました。ただの主婦なのに志貴 結命子が「視覚効果をonにする」という能力を持ってることが謎でしたが、人間に恋をして人間になった人魚ということで納得しました。最初の旦那好きで早く帰りたいという発言もしっかりそういう背景を示していて、細かい所にまで色々散りばめられていたなと思いました。


その他にも魅力的なキャラが多すぎる!
冷めてる感じに見えて、実は前作の「黒鈴ミヲ」の大ファンでエクソシストの「キルケ」や、主人公とヒロインで他愛のない話なのに深い愛でいちゃいちゃし始める「水口勇佐」と「白浪里」、常に冷静で霊能力によって活躍してくれた「霧生双奴」等、登場人物すべてが魅力的でした。


ひとつ気になった点
後半のギミックについてだけちょっと理不尽にかんじてしまいました。玉手箱を手に入れてからの手順としてロードの一番下を見て、追加された人魚からの記憶を見ろというものです。管理人のヒントもあるのですが、全然わからず、チャートのなかでも別アヴィの別EDにいくための部分が光っていたのもあり何度も同じところで選択肢を選びなおしたのですが解決せず攻略を見てしまいました。
👇案内人の例の部分のヒント

今思えばこのゲームの特性上、最初にオプション等確認しなかったのが問題だったかもしれませんが物語が最高に盛り上がっている場面で足止めを食らい、没入感が途切れてしまったのが本当に悔しかったです!
まとめ
重厚な歴史要素が絡むため「膨大な情報量」や「後半の難解なギミック」など、少しカロリーが高く人を選ぶ部分は確かにあります。しかし、それを補って余りある「魅力的なキャラクターたちの群像劇」と「見事な伏線回収」は、ミステリー好きなら絶対に体験して損はないクオリティです。
なにより、前作で少しだけ感じた「結末の物足りなさ」が一切なく、追想システムによってすべての謎が解き明かされ、お気に入りのキャラクターたちが幸せを掴むハッピーエンドを見届けられたことは最高の体験でした!
ホラー要素(ジャンプスケア等)も控えめになっているため、「怖いのは苦手だけど、しっかりしたミステリーやシナリオを楽しみたい」という方にも非常におすすめしやすい作品になっています。
昭和レトロな伊勢の離島に隠された、数百年に及ぶ「人魚伝説」の謎。気になった方はぜひ、この予測不能なミステリーに飛び込んでみてください!
クリア後に手に入る資料で前作の我妙堂垂弦の話も出ていて続編につながりそうなことも書いてあるので(コミック等の可能性はあるが)今後も期待していきたいと思います。

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